Programme

マリアズベビーズソサエティーの歴史は故真田幸一愛育病院長の幼児教育への深いご理解のもと、昭和61年に東京都南麻布恩賜財団母子愛育会にてあげた産声ではじまりました。その後クランマホール・キンダーガーデン園長モーラグ・トムソン先生とその卓越した幼児教育思想の相承者として松岡まりあ園長が創立直後より10年に渡り、エリクソンの発達上のクライシス概念、ヴィゴッツキーやモンテッソーリ哲学、デ・ボノの「水平思考」等他に無い教育アプローチやメソード等の実践とその研究活動を推進し、園はその教育の礎を盤石にして参りました。M.トムソン女史は、英国のエドワード・デ・ボノ博士がご自身の子供達と王室の子女の為の幼児教育機関として設立したクランマホール幼稚舎でボノ博士と共に幼児教育に携わった大変優れた幼児教育家です。又エドワード・デ・ボノ博士はオックスフォード大学、ハーバード大学等で教鞭をとり、2005年にはノーベル賞候補となり、創造的思考において世界的に影響を与えうる偉業を残した知の世界の巨匠です。

この様な偉大な教育家とその思想に直々に長年に渡り関わる縁にマリアズベビーズソサエティーは大変恵まれ、その後20数年、多くを吸収しマリアズベビーズソサエティーの教育現場が磨きをかけた事は大変幸運な事でした。さらに園長自身が約30年前より、故ウェールズ公妃ダイアナ殿下が若き頃奉職なさった、ロンドンのヤングイングランドキンダーガーデン等、イギリスやフランスのより優れた幼児教育における幼児指導の要諦をヨーロッパて学び、何が本当に幼児の人間教育にとって大切かと問い続け、今日も園の優秀かつ情熱的な各分野の教育家とそのテーマを追求し続けています。その結晶として、幼児の教育において百年に一度とも言い得る環境を目指し、幼児にとって最も重要である暖かく家庭的な雰囲気を保ちながらも、個々の専門分野における幼児指導の精確性の極めて高い、他に無い秀逸した幼児教育環境を提供出来うるものが、マリアズベビーズソサエティーであります。

又園の教育哲学は松岡まりあ園長の恩師である明治神宮至誠館名誉館長、故田中茂穂師範九段より園長が薫陶を受けた「日本人の心のあるべき」が、現在のマリアズベビーズソサエティーの「誇りやアイデンティティー」を育む教育の根底に明確かつ堅調に反映されております。只早くから英語が話せれば良いという風潮に反し、私どもは、母国の言葉と歴史や文化を第一義にわきまえながら、広く国際社会を見据えられる姿勢を育てる、という筋の通ったバイリンガル、バイカルチュラル教育を実践し続けており、それこそがマリアズベビーズソサエティーの教育が多くの幼児教育と一線を画す大きな特徴です。

モーニング・プログラム

私たちの園の中核とも言えるモーニング・プログラムにおいては、いくつかの年齢グループに分けた子ども達が学び、遊びます。グループ分けにあたっては、何歳児という判断よりも情緒面、発達面などさまざまな角度からそのお子様のご様子を見させていただきます。年齢や国籍の多様性があるからこそ、子ども達は問題解決や困難に積極的に取り組むことを実際に経験することができるのです。そうした経験のなかで特にビック・ブラザー/ビック・シスターの制度は、子ども達仲間を尊重しグループの調和を作るために、大きな役割を果たしています。

園の教育プログラムの基本にあるのは、モンテッソーリ法を拡張、充実させたものです。子ども達は最初の段階であるハッピー・ナッピーズのレベル(まだ話せない赤ちゃん達)から、リトル・ラーナーズのレベル(話し始めてから、母国語をしっかり使えるまで)へ、そこからさらに最終段階のビジー・シンカーズ(英語の読み書きをきちんと教え始める)へと進みます。通常の学校システムと違い、年齢よりもその子の到達レベルに応じて、段階的に用意されたプログラムを進めてゆくことになります。

イヤー・ワン・プログラム

イヤーワンクラスは今までの園の学習成果が一挙に花開き、園児の内に充実した力の結実がはっきりと認識できるマリアズベビーズソサエティー教育の集大成を期すクラスです。今まで学んできた道徳教育や語学、情操教育等の「学習相互の繋がり」が「気づける」までに園児が成長の階段を登ってきた事で、このレベルの生徒は、より一層学習が面白く楽しく感じられる様になり、健全な態度で学習に向き合う様に成長して行きます。意欲と笑顔に溢れたイヤーワン生がマリアズならではの教育法の基、沢山の愛情に包まれ、生き生きと園生活を送り、健やかな人格形成が成されています。このクラスにおいては、イヤーワンの教育の為に編成された、言語指導にあたる教育学博士やトップクラスの音楽、美術教育家総勢約13名で緻密に編成された教師達と園長の直接指導が園児達の見事な成長に大きく寄与しております。

又イヤーワン教育はより一層の母語と英語の確立を重点とし、又5歳—6歳の旺盛な興味や好奇心を生かし、民話や詩、自然科学、音楽、美術等に幅広く触れ、しっかりと運動をし、園外学習等で本物に触れる等、年長児の世界を大幅に拡げます。ここで幼児期最終段階の子供達は、園の教育の3柱となる、「見る力」と「聞く力」、「考え感じる力」をしっかりと磨き上げ、チームワークの中で結成される遊びや学習の「感動体験」と共に、一方では、こつこつと日々の稽古や学習を積み重ねる習慣を一貫し、学童期に向かうべくしっかりとした進学準備を行ないます。正しい事を行なう勇気や辛抱の心を育て、友達に勝つのではなく、自分の心に勝つ事等、子供らしくのびのびとしながらも、礼儀正しくがんばりやさんの年長児が、次に進む小学校に大きな夢を抱きながらイヤーワンクラスで元気に成長しております。

アフタヌーン・プログラム

アフタヌーンプログラムは、モーニング・プログラムへの準備期間と位置づけられます。3時間のプログラムにはモーニング・プログラムのすべての側面が取り入れられ、おやつの休憩を2回とお昼寝が必要な子どもにはそのための時間もとっています。子どもたちはこのゆったりとした低年齢の子どもたちを中心としたプログラムの中で、教師や仲間との関係を育てていくことで、園の環境になれ、もっと活発なモーニング・プログラムに参加する準備を整えるのです。

又、アフタヌーン・プログラムは経験豊かな年輩の教師が担当します。母親や祖母としての経験も積んでいるので、幼い子ども一人ひとりにきちんと目を注ぎ、必要なケアを与えることができます。幼い子どもたちにとって初めての園の経験が楽しいものとなるように、さまざまな刺激に満ちた魅力的な活動を用意しています。パズル、お絵かき、ひも通し、工作などの活動、指遊び、歌など、さらにお話の時間や活動的な遊びも経験します。幅広く質のよい音楽に対する理解を深めるために、ヴァイオリンの専門講師によって週3回ヴァイオリンのミニコンサートも開かれます。ハッピー・ナッピーズとリトル・ラーナーズの年齢層の子どもたちがひとつになって、あるいはグループに分かれて学習します。活動や学習の環境を最大限に活用できるよう、混ざり合ったり分かれたりしています。

ごく年齢の低い幼児や赤ちゃんは、まずこのプログラムに参加していただくことになります。モーニング・プログラムへの移動は歩けるようになってからです。グループ移動の決定は、子どもの準備状況、親の希望、ウェイティングリストの順位を慎重に考えあわせて行います。

アフタヌーン・エクステンションプログラム

アフタヌーン・エクステンション・プログラムは朝から夕方まで園で過ごせるようになった子どものために用意され、月曜、水曜、金曜のモーニング・プログラムに参加しているお子さまが対象です。お昼寝と飲み物とビスケットの時間が終わると、小グループに分かれてお話の時間になります。この時間はお話を楽しむだけでなく、聞く能力を高め言葉の発達を促し、そうすることで本や読むことに対する探求心を育てます。将来本が好きになるために重要なことです。お話の時間の後は、また集まって一緒に音楽と運動をします。振り付きの歌や指遊びのレパートリーを広げ、またさまざまな楽器にも親しみます。

4時のお迎えまで、子どもたちは美術活動で色や形の感覚を育て、細かい運動能力を高めます。また、エチケットや礼儀に関わる場面を描いた興味を引く絵のついた冊子を配り、塗り絵をしながらそこに示された良い振る舞いについて考えるのです。

リトルディプロマッツ・プログラム

リトルディプロマッツ・プログラムは、年長児や進歩の早い子どもに他では得られないすばらしい機会を提供します。モーニング・プログラムの子どもの他に、卒園して小学校に行った昔のお友達で、この園で得た力をさらに高めようと望む子どもが参加しています。

リトルディプロマッツの大きな学習目標は、英語の能力を確実に身につけ、維持し続けることです。英国の教諭資格を持つ先生の指導で、フォニックスや読む練習を通じて語彙を広げ、読む能力を高めます。リトミックのクラスや枠組みを決めた創作劇も取り入れ、子どもの想像力をはぐぐみ、このプログラムの一番の目的である言語面での成長に役立てています。

初等科クラス

マリアズ・ベビーズのYear One Class及びLittle Diplomats Classを卒業し、日本の小学校に進学した子供達が、小学校進学後もマリアズ・ベビーズ・ソサエティーの教育を継続するクラスです。一部外部生の受け入れも行ないますが、当園Year One Class卒業同等位の英語力とその他の適性試験を行なわせて頂いた上で入学許可の判断を致します。初等科クラスでは6・7歳から8・9歳(1~4年生/中学校受験準備期間前)を目安に英語力及び英語を使う社会の世界観、音楽性またヴァイオリンの演奏力、美術制作に要する想像力や表現力などの能力を総合的に育てます。

初等科クラスにおいては、自らのアイデンティティーを礎に世界の国々へ開かれる視野、自らの考えを伝える日本語と英語の力、また同様に他者の考えを尊重し理解する力、自分の回りの全ての人々の気持ちを大切にする心等を教育の目指すものとしています。又初等科クラスは、子供達がYear One Classで慣れ親しんだ講師陣が継続して指導にあたるという一貫性のある教育環境の中で新しい環境(小学校)に適応するまでの子供達の心を見守る為の対話の時間等も工夫されています。そして英語、世界、日本のじかんという中心教科を通じ「母国や世界の国々の文化、歴史、自然環境」について学びながらより高度な英語学習と同様に小学校入学後においても当園の徳育教育を徹底させていきます。